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熱水噴出域への適応

深海の熱水噴出域には、イオウ酸化細菌などの化学合成細菌を一次生産者とするユニークな生物群集が生息しています。これらの生物、たとえばシンカイヒバリガイ類やシロウリガイ類などの深海性二枚貝類、ハオリムシやゴカイなどの多毛類が、高濃度の硫化水素や金属などを含む熱水噴出域の環境にどのように適応しているのかを解明しようとしています。
硫化水素への適応については、ヒポタウリンという物質に注目しています。ヒポタウリンはタウリンの前駆体であり、熱水噴出域に棲む生物の細胞内では、浸入した硫化水素と結合して無毒化する役目を持つと考えられます。本研究室では、(1) ヒポタウリンを細胞外から細胞内に取り込むメカニズム、(2) 細胞内で合成するメカニズム、およびそれらの進化について研究を進めています。
また、熱水中に含まれる金属への適応機構についても、膜輸送体を切り口として研究を進めています。

付着と移動のメカニズム

付着性の生物は、自分にとって好ましい環境を選んで付着します。例えば、熱水噴出域の生物には、熱水に近い場所が好きな種や、少し離れた場所が好きな種がいます。また、潮間帯の生物は、種ごとに付着している水深が違います。本研究室では、それぞれの生物が、どのような環境要因に基づいて付着場所を決めているのかを探るとともに、それぞれの種が基盤に付着するメカニズムの解明にも取り組んでいます。さらに、イガイ類は一旦付着した後も移動することができます。この移動のメカニズムの解明にも取り組んでいます。

環境塩分に対する適応

海水から淡水、淡水から海水への生息域の移動は、脊椎動物の進化に大きな影響をもたらしたと考えられています。本研究室では、淡水域から海水域まで広く分布するダツ目魚類(サヨリ、トビウオ、アジアに生息するさまざまなメダカ類など)を主なモデルとして、環境塩分への適応機構の進化と種分布との関連について解明を試みています。
また、メダカ類を用いたアジア域の環境モニタリングに取り組んでいます。例えば、ジャワメダカやインドメダカなど海水適応力に優れる近縁種のモデル生物としての活用や、トランスジェニックメダカを用いた環境モニタリングなどを試みています。
淡水と海水の浸透圧差は、無脊椎動物にとっても分布の障壁となります。本研究室では、浅海の生態系の重要メンバーであり、かつ代表的な付着汚損生物でもあるフジツボ類や、南極海の殆どの大型動物の餌として生態系を支えるナンキョクオキアミにも注目して、低塩分環境への適応能力とその進化について研究を進めています。